FXというと「なんだか難しそう」「損をする」というマイナスイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、FXを始めたからといって必ずしも損をするとは限りません。大切なことは、FXに対する正しい知識を身に付けたうえで、実際にトレードするかどうかを考えることでしょう。そこで、この記事ではFXの概要や注意点について紹介します。
FXって具体的にどういうもの?
FXは日本語で「外国為替証拠金取引」と呼ばれています。つまり、外国の為替(通貨)を証拠金取引でトレードすることです。簡単にいうとドルやユーロといった実際に流通している通貨をトレードして利益を上げる方法です。しかし、これからFXを始める人のなかには「通貨をトレードすることの意味がわからない」という人もいるでしょう。日本だけで普段から生活しているとあまり意識することはないでしょうが、実は通貨もスーパーやコンビニで売られている商品と同じように需要と供給の関係で価格が決まっています。
一般的に人気のある国の通貨価値は高くなり、人気のない国の通貨は価格が下落していくのです。 円高や円安という言葉を聞いたことのある人は多いでしょう。円の価値が高くなると円高になり、円の価値が低くなると円安になります。その国の通貨価値は、経済情勢や政治リスクなど複合的な要素が絡んで決まります。一般的には政治的に安定していて、経済状況が良い国の通貨ほど価格は高くなるのです。いずれにしても通貨の価格は常に変動しており、その価格の差益を儲けとして受け取ることを目的にするのがFXです。たとえば、1ドル100円のときにドルを1万通貨ほど買い、1ドル120円のときにすべて売却して日本円にすると20万円の儲けになります。
FXが怖いといわれる理由
FXは株の現物取引や投資信託などと比べてリスクの高い投資だとよくいわれます。しかし、トレードの仕組み自体は差益を狙うものであり、株や投資信託と変わりません。なぜ、FXの投資リスクが高いといわれるかというと、それはレバレッジを効かせることができるからです。レバレッジとは「てこの原理」のことで、要は少ない力で大きな効力を生むことを意味しています。FXなど投資の世界では「自己資金以上に大きなトレードができる」という意味で使われるのが一般的です。
たとえば、100万円の自己資金を持っているときに、株の現物取引や投資信託の商品を購入しようしても、100万円以上のものは買えません。しかし、日本国内のFXでは最大で25倍(2019年4月時点)のレバレッジを効かせることができます。つまり、最大で2500万円までのトレードが可能です。 レバレッジを効かせたトレードが可能な理由は、証拠金取引を採用しているからです。証拠金取引とは売買の都度ごとに代金を渡すのではなく、決済をした時点で差額を清算する方法となっています。たとえば、1ドル100円のときに1万通貨購入すると、本来は100万円が必要です。しかし、証拠金取引では購入時に代金を支払う必要はありません。
仮に購入後に1ドル95円になって決済した場合は、損失金額の5万円が100万円から差し引かれる仕組みです。反対に利益がでた場合は、儲けた金額が決済した時点で口座残高に反映されます。 レバレッジを効かせると自己資金よりも大きなトレードができるので、大きな利益を生み出せる可能性があります。その反面、損失が膨らんでしまう危険性も高くなるので注意しなければいけません。最悪の場合、証拠金の残高がゼロ円になるだけでなく、借金を背負ってしまう可能性もあります。FXが怖いという人のなかにはレバレッジの内容をよく知らず、このような悪い情報だけを信じてしまっている人もいるのです。しかし、レバレッジを1倍にしてトレードすれば自己資金と同等の資金でトレードが可能なので、株の現物取引や投資信託の運用と同じ条件になります。
レバレッジをどこまでかけるかはユーザーが任意で選択できるので、怖い人はレバレッジ1倍で運用していけば問題ありません。FXだからといって過度におそれることなく、正しい情報を理解することが大切です。
FXトレードでは万が一の時の備えが必要!
FX取引において、ストップ設定(ストップロス注文)は、命綱のような役割を果たします。だってそれは、思いもよらぬ大暴落の時でも損失を限定するからです。ストップは損失を限定するだけのものではありませんが、損失を起こさないためにも非常に重要です。当時のインパクトが大きかったと思いますが、2007年から為替市場にとっては非常に激動の年になりました。2007年2月の中国株式市場の暴落を発端にした世界的な株価大暴落により、為替市場も大きな影響を受けました。
FXトレードではストップ設定が重要!
多数の方が為替市場から退場した理由について、
・ここまで下がれば、もう下がらないだろう
・ここまできたから、あとは上がるだけなんじゃない?
という思い込みやストップを設定していないFX商材を信じていたため、結果的に損失を拡大させてしまった事が非常に大きいのではないでしょうか。確かに、ストップロス注文を入れないで含み損を抱えていたら、決済=損失確定ではありませんので、負けた事にはなりませんが、もっと大きな損失につながるかもしれません。また、多大な含み損を抱えていれば毎日毎日為替レートが気になってしまい、夜もおちおち寝ていられないなどのストレスもたまります。
ですので、ポジションを持った場合には自分の損失許容量の範囲内で必ずストップロスの設定をすることが重要です。為替レートが気になって眠れないなんて本末転倒です。また、ポジションを保有する場合、あらかじめどこにストップを設定するか決めておく事が重要になります。